JT生命誌研究館(通称BRH)が1992年前より発行してきた「生命誌」という季刊誌があります。最先端の科学情報だけではなく、音楽や芸術ともリンクした充実の内容はもちろんのこと、その洗練されたデザインでも定評のある雑誌で、ぼくも大好きでした。
その「生命誌」が2002年にリニューアルすることになりました。これまでの「生命誌」の内容はサイトに引き継がれ、新生「生命誌」はサイトへの誘導となるニュースレター的なものになります。3ヶ月に一度、10枚前後のカードで新規の更新内容を紹介したものを発行するというシステムです。その全体のデザインを、ぼくが担当させていただくことになりました。さて、ぼくに依頼した時点で向こうも観念してたでしょうが、不思議なことに何故か毎号ペーパークラフトキットが付いてきます。最初の一年間は「紙でつくる頭骨の進化」。初回はヒトの頭骨です。
頭骨の形の監修を受けに、愛知県にある京都大学霊長類研究所というところに行って来ました。形態進化分野の研究者で、年の半分はアフリカに行って発掘をされているという国松先生は、さすがに「形態」を専門にされているだけあって立体構造にはめっぽう強く、「この鼻骨のラインをもうちょっとこうした方が・・・あ、でもそうするとのりしろが取れなくなんのか、じゃぁこののりしろをこっちへ持っていって・・・う~ん」と、たいへんに通な指導をしていただき二人で盛り上がりました。ありがとうございました。