とびだすそっくり生きもの・第3回 コノハムシ


擬態する生物、といえば真っ先にこの虫を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。擬態ペーパークラフト第3弾は「コノハムシ」。その名の通り木の葉にそっくりな、東南アジアのジャングルに住むナナフシ目の昆虫です。

 

このコノハムシ(擬態をするのはメス)、背中とお腹では緑色の濃さがずいぶん違っています。これにはちゃんとした訳がありまして・・・。図鑑などで葉っぱの上に乗っかっているコノハムシの写真を見た人も多いと思いますが、あれは見やすいように撮影の時にちょいと手を加えているそうで、通常は天敵の鳥などから身を守るために葉っぱの裏側に止まっています。つまり鳥から見えるのはコノハムシの腹側という訳ですね。そして一方、実際の葉っぱの表面は光合成を盛んにおこなうためにより多くの葉緑体が集まっており、裏面に比べて緑が濃いとのこと。つまり、コノハムシのお腹は葉っぱの表面を、背中は葉っぱの裏面を擬態しているということなんだそうです。

 

また、個体によっては今回のおまけのように虫食い跡に似た模様があるものもいて、さらには未確認情報ながら、自分の体のラインにより似るように、途中まで食べかけた葉っぱを放置して別の葉っぱに移るという行動も観察されているそうで、その徹底ぶりには関心させられます。もっとも、擬態に徹する余り羽が変形して飛べなくなってしまったとのことですから、数千万年をかけた大いなる本末転倒のような気もしますが。