産業技術研究所・地質標本館

デスモスチルス

 

あまり聞いたことのない名前だと思いますが、今から約1100万年前に絶滅したほ乳類で、世界で2体しか見つかっていない全身骨格がいずれも日本から出土したことから、日本を代表する絶滅ほ乳類の一つと言われています。一見ずんぐりむっくりで地味なこの動物、カエルやワニのようにいったん真横に出てから地面に向かう脚の骨格が独特で、1997年に発表した当時は世界中の生物学者が驚いたそうです。そしてもう一つの大きな特徴が、その名前「デスモス(束ねられた)スチロス(柱)」の由来となった臼歯の形。のり巻きを数本束ねたような形で、100年以上前にカリフォルニアで発掘されこの名前が付けらたそうなんですが、当初はタコの化石だと勘違いした人もいるそうです。由来を聞いて、ぜひそちらも作らせてくれとお願いしました。歯のペーパークラフトは世界でも珍しいんじゃないかと思います。