『からくりの素(もと)』の名の通り、メカニズムのエッセンスだけを抜き出して、真っ白で四角い箱に閉じこめたモデルを10点収めた書籍です。メインとなるからくりの展開図は、カムやクランクのバリエーションを含め、以下の10点が収められています。それぞれどんな動きをするか想像できるでしょうか。

 例えば、クランクにリンクを1本付け足した「クランクB」は、こんな風に動きます。「ためらう男」の足の動きに似ていますかね。「シュレーディンガーの猫」で使っている「ゼネバストップ」や、「ルンバに乗った猫」の「ギア(歯車)」といったメカニズムも収録しています。


 からくりモデル1点につき、厚口用紙に刷られた展開図2枚と、わかりやすい組み立て説明図1枚を収録。カッターと接着剤を使ってホワイトモデルを作れば、メカニズムの原理を体感できます。制作目安時間は約1時間。なにしろ紙だから改造は簡単で、色を塗ったり自作パーツを取りつけて、手軽にオリジナル作品を作ることもできます。

 

 本から外して切り抜く展開図シート以外に、このキットを改造して高校生が作ったオリジナル作品を紹介するページとメカニズムの基礎を図解したページ、それから(2007年当時の)僕の作品の紹介ページを加えて計94ページ。「改造しようと思ったら失敗しちゃったんだけどもう1冊買うのはキツイ。」とか、「授業で生徒に作らせたいんだけど、一人2000円は出せない。」という方のために、1モデル200円の単品キット販売もしています(こちらに関しては本誌をご覧ください)。夏休みの宿題以外にも、ワークショップや授業で気軽にご活用ください。