となりの生命誌・その2 タバコモザイクウイルス

紙で作るウイルスの第二弾は、タバコモザイクウイルス(TMV)。その名の通り、タバコの葉にモザイク状の斑点を作り成長を阻害する病原体として19世紀の後半に発見されたTMVは、のちに人類が初めて発見し、最も詳しく研究されたウイルスとなりました。

 

細めにカットされたピザのような形のタンパク質2130個がらせん状につながった、約130巻きのコイル状のTMVをそのまま作ってもらう訳にもいかないので、このおまけではタンパク質102個分、約6巻きを、内側に巻き込んだRNAも添えて再現しました。1950年代、当時では珍しかった女性科学者ロザリンド・フランクリンによって明らかにされたこの形は、後にワトソンとクリックがDNAの二重らせん構造を解明するきっかけにもなったそうです(それを巡ってはスキャンダラスな確執もあったようです。興味のある人は調べてみてください)。BRHのホームページでは、季刊誌に収録したものと同じ展開図に加えて、解説入りの展示台とTMV全長分の延長パーツも公開しています。