空飛ぶ生きもの大作戦・その2 空飛ぶナマケモノ【ヒヨケザル】

手探りで進めている紙飛行機シリーズ第二弾は、前回とは打って変わって地味~なルックスの「ヒヨケザル」をお届けします。マレーシアの熱帯雨林に住むこの動物、首から尻尾まで続く薄い皮膜をパラシュートのように広げて、夜ごと木から木の間を飛び回ります。昼間は木の幹につかまって休んでいるそうで、体の色は保護色の茶褐色。恐竜とは違って現存する生きものだと、色や柄で嘘がつけないところがデザイナーとしては辛いところです。

 

ご購読いただいている方は解説ページの写真を見ればよく分かると思いますが、空飛ぶ姿はまるで茶色いホームベース。あんまり飛行に向いている形じゃなさそうだなぁとは思いつつも、まずはこの形を忠実に再現することから始めました。結果は・・・笑っちゃうほど飛びませんでした。重心の位置をいろいろ変えてはみたものの、手を話した瞬間にきりもみ飛行をしながら落ちてしまいます。考えてみるとこんな形をした鳥や飛行機は存在しませんから、航空力学的にも無理のある形に違いない!一回四足動物の方向に進化しちゃったヒヨケザルの祖先がその時持ってた体のパーツを改造しながら空を飛ぼうとしたら、きっとこれくらいが限度だったんだろう、なんて、自分に言い聞かせてみたりして。実際のヒヨケザルは、筋肉を使って皮膜を波打たせたり尻尾を微妙に振動させてそこそこ優雅に飛行するのですが、その手が使えない紙飛行機では、腰のくびれを強調し、頭を極端に大きくして前方に飛び出させることにより、何とか滑空できる状態にまで持っていきました(翼に丸い穴を空けると空気が抜けてうまい具合に飛ぶんですが、さすがにそれは誤解を招くおそれがあるということで没にしました)。腹側の胴体がのりづけしにくく、すき間が空きがちなので注意して組み立ててくださいね。