せっかく作るんなら紙にもこだわろう

 

「ペーパークラフトにはどんな紙が向いてるのか?」という質問を時々いただきます。ダウンロードした展開図をご自宅でプリントアウトして組み立てるスタイルはすっかり一般的になりましたが、「コピー用紙で作ったらヘニャヘニャになっちゃった。」 「プリントすると紙が反ってしまった。」という方もいらっしゃるようで、紙にまで気を配っている方はまだ少ないのかもしれません。

 

以前は工作に使う紙といえば「ケント紙」が定番でした。表面が平滑で製図やペン画に向き、厚さも手頃、画材店に行くといろいろな種類が揃っているので、今でもこの紙を使っている方も多いようです。僕も以前は、ケント紙よりはちょっと表面がざらついた厚口の工作用紙を大量に買い込んでは、もっぱらそれを使っていました。しかしこれらのケント紙や工作用紙は、もともとプリンターからの出力を想定して作られたものではありません。紙によっては、モニター通りの色が出ないばかりか、インクがにじんで使い物にならない場合もあります。

 

最近のプリンターの進化はすさまじく、専用紙に出力した時の発色の良さは、商業用のオフセット印刷を上回るんじゃないかと思う時すらあるほどです。プリンターも専用紙もどんどん安くなっていますので(ただしインクは相変わらず・・・)、これを利用しない手はないんじゃないかと思います。この手の紙を使う時はせっかくですので、マニュアルをよく読んで用紙に適した高画質モードでプリントしてあげてください。

 

ここでは、僕が主に使っているプリンター用紙を2種類ご紹介します。ちなみに仕事場のプリンターは、キヤノンのインクジェットプリンターiP8730です。オフィス向けのレーザープリンター用紙のことはよく分からないのですが、ご家庭にあるプリンターはほとんどインクジェット式じゃないかと思いますし、個人的にはペーパークラフトにはレーザーよりもインクジェットの方が適しているのではないかと思っています。

 

■キヤノン マットフォトペーパー

厚さは実測で0.22ミリ程度。ほどよい厚みで、たいがいのペーパークラフトはこれでOK。発色が鮮やかすぎるのがちょっと気になる時も。

 

■エプソン フォトマット紙

厚さは実測で0.24ミリ程度。キヤノンとのわずか0.02ミリの差が実際に使うとなかなかあなどれず、からくりの強度が必要な時や大きめの作品にはこちらを使用。紙の色はキヤノンより若干黄色く手触りも柔らかで、白さも発色も落ち着いているが、コーティングの材質のせいか、木工用接着剤との相性が若干悪いのが玉に瑕。

 

この他にも、いろいろなメーカーから「厚紙用紙」や「ペーパークラフト専用紙」という名前で商品が出ていますが、いろいろ試した結果この2種類に落ち着きました。プリンターメーカー純正品だけあって、値段はいずれも他メーカーより若干お高めの1枚約20円。これを高いと考えるか安いと考えるかは人それぞれでしょうが、僕の場合はなにしろ商売道具ですので、そこはケチらずに数袋単位で買いこんでガシガシ使っています。