POP-UP生命誌展示・その4 「観る」と「語る」で探る日本の自然観

2006年度最後のおまけは、オオバコが飛び出すポップアップカード。今回はしかけ自体はシンプルなものなのですが、そこに込められたメッセージはいつにも増して生命誌らしいものでした。

 

街中でこそあまり見かけなくなりましたが、公園や土手に足を伸ばせばそこら中に生えているたくましい雑草「オオバコ」。このオオバコ、道ばたで放ったらかしにされているものと、神社やお寺など手入れが行き届いている場所に生えているものでは、葉っぱのサイズや花序(真ん中のツクシみたいな部分)の伸び方が違うんだそうです。葉っぱの大きなものや、花序が真っ直ぐ上に伸びているものは、見つけやすので、すぐにむしられたり鹿に食べられてしまいます。結果、境内に残っているオオバコは、葉っぱの小さなものや花序が寝ているものばかり。単にたまたま成長不足のものが残っているのかと思いきや、葉っぱを調べてみたところ、正常サイズの細胞が、その数を減らすことによって全体のサイズを小さくしていることが分かりました。これ、まさしく進化です。現在進行形の進化の例としてよく挙げられるものとしては、イギリスの工業地帯の蛾や、ガラパゴス諸島のフィンチなんてのがありますが、こんな身近なところにもその生き証人が生えているという話で、僕はとっても興味深く読みました。