他人のそら似を生む進化・その4 海を越えてハリ仲間

最終回の今回は、ヨーロッパからアジア、アフリカにかけて広く生息するおなじみ「ハリネズミ」と、アフリカ南端に浮かぶ島、マダガスカルにしか住まない「ハリテンレック」です。似てるけどちょっと違う、ってのがこのシリーズの特徴だったんですが、今回は見ての通りほとんどそっくり。資料をあさってもどこが違うのか見当がつかず、結局BRHの担当者さんがお正月の忙しい合間を縫って天王寺動物園でホンモノを取材してきてくれました。結果は・・・やっぱりほとんどそっくり。耳の形と体のフォルムが若干違うの、分かってもらえるでしょうか。これだけ似ていても、系統樹を描くと全然と言っていいほど違う動物です。う~ん、進化って不思議。

 

ガラパゴスと並んで生物進化の実験場と呼ばれるマダガスカル島には、10年ほど前に一度行ったことがあります。元フランス植民地のこの国ではほとんど英語が通じず、また世界最貧国の一つということもあって、かつてないほど苦労した旅でした。朝8時に来いっていうからがんばって早起きしてバス亭に行ったら、客席が埋まらないからって午後3時まで待たされて、でもそのおかげで見れた夕日に映えるバオバブ街道、今でも目に焼きついています(当時は狭くて臭くて辛かったけど)。日本で有名なアイアイ、実はプレデターチックな夜行性動物は、生息地域が限られているため見ることができませんでしたが、ワオキツネザルやインドリは何とか見ることができました。でもハリテンレックはノーチェックだったな。